愛を『受け取る』チカラ|キューブラー・ロスと遠藤周作
遠藤周作のエッセイで知った精神科医のキューブラーロス。
なんだか気になったので、YouTubeで彼女を取り上げたドキュメンタリー番組を見た。
現代社会で行われる延命措置や安楽死に反対し、彼女は自然死を勧める。人が死んでゆくことを、人が操作すべきではない、と。
その生涯を、死に近い多くの患者たちと向き合い過ごした彼女の人生。
死への探求がどんどん深くなり、それも原因となり、離婚。
精神科医として、患者たちをサポートするために世界中へ飛び回り、自分の家族のもとには殆ど帰ることがなかったという。
そして、避けることのできない自らの死に向き合う彼女の晩年。
晩年のインタビューで彼女は、
『人生に大切なことは愛を与えること、そして愛を受け入れること』と話していた。
そして、
『私は愛を受け入れることに関しては落第よ。』と。
彼女の言う、『愛を受け入れる』というのは一体どういう事なのだろう。愛される、自分自身の価値を受け入れる、ということであるのかな。
『愛とは何?』そう問われた彼女は、
『言葉にできないものよ。あなたがそれを知っているなら分かるし、知らないのなら分からないわ。』と答えていた。
迷い揺れ動く生き方が、人間らしく美しいと思えた。